あなたは尋問をされたことはおありだろうか?
普通は「は?」というか、「いいえ」というのだろう。
私は、尋問をされたことがある。しかし、それはフィクションの出来事。
司法修習生(要は研修生みたいなもの)時代、模擬裁判という授業があった。修習の期間が短くなったという話だが、たぶんこれはまだやっているのではないかと思う。
研修所からでたお題について、原告側、被告側の代理人に分かれて裁判を一通り体験してみるのである。
しかし、中には原告、被告本人役というのも必要で私は原告役をやったことがあった。
尋問は証拠方法の一つなので、主尋問は自分の聞きたいことを引き出すように行う。
そして、反対尋問はその尋問者の話す内容や書いた書面の信用性を揺るがすようなことを聞き出すように行う。
でもね、こうやって書くと簡単だけど、尋問って難しいんだよ。
どうしてかというと、尋問者の思うとおりに答えてくれるとは限らないから。
実際尋問される側になってみると、「何が聞きたいの??(゚ー゚;」と思うことは少なくない。
こういうときは自分が最終的に言いたいことを言わせるのを焦ってはいけない。
主尋問でこれをやると、本人が混乱するし、反対尋問でこれをやると議論になるからである。
小さな質問を重ねて、土台を作って、最後にそぉ〜っと結論を乗せるのだ。
反対尋問は特に最後のところはとても塩梅が難しい。
でもしっかり土台ができていれば、たとえ最後の質問の答えが思い通りいかなくて、その結論は見えてくるようにできるはずなのだ。
ということで、私が一番頭を働かせ、悩み抜くのは土台のところと時間配分。
さ、尋問、尋問・・・