昨日は、日弁連の面接技法の研修に行ってきました。
こういう研修は珍しい方なのかな、でも最近は増えてきた気もします。
私の事務所では無料法律相談を月に1,2回、ほとんど毎月続けてきたわけで、かなりの人数のご相談をお聞きしたのではないかと思っています。
ただ、法律についてはもちろん専門家ではありますが、相談のスキル自体を勉強したことがなかったので、昨日はその自分のやり方で果たしていいのかという気持ちで参加してみました。
結果としては、他の法律相談ってそうだったの!というカルチャーショックみたいなものと、今までの方向性は間違ってないらしいという思いがありました。
これまでは、相談者のいうことは5分も聞かずに法律上の問題に絞った解決を提示するのが「良い法律相談」だったようです。
えー!それって色んな意味でリスク高くない?というのが私の感想。
法律相談に来られる方のほとんどは法律相談をすることには慣れていません。
弁護士に会うのが初めてという方も珍しくありません。
こういった皆さんにリラックスして事案に集中してもらうだけで5分かかる場合だってあるのです。
事案に集中してもらうことは相談者の記憶喚起の上で結構大事だと経験上思っています。だから、最初の時間を私は結構大事にしているのです。
結局のところ、相談者は問題を解決してもらいたいと思っているのであって、「法律の問題だけを」解決したいわけではありません。もちろん、法律の専門家なので法律の問題を取り扱うのが弁護士ですが、法律の問題とその他の問題は実は複雑に絡み合っている場合もあり、適切な解決方法を考えるにあたって、そもそもこの問題とは何かをきちんと把握しなければ、提示する選択肢を誤ってしまうことすらあります。
結局のところ、法律相談というのは、(法律上だけでない)問題を把握し、法律面で解決のつきうることについて解決のための選択肢を提示し、その上で自分が代理人ならこう考える、費用はこのくらいと相談者に弁護士を検討するための材料を提示することだと思っています。その中で事実上カウンセリングに近い効果をもたらせることができますが、よく考えればそれは信頼関係を構築するためのものなのかなと思います。
そんなことやら色々と考えさせられた研修でした。