「ねえ、聞いてくれる?」「どしたん?」
「もうかれこれ相方と20年一緒にいるのよ」
「そういえばそうだね、ついに去年式も挙げたしなあ、あれは涙出たわ。」
「そうよ、やっとの事で挙げたのに」
「挙げたのに…?」
「『若い子と付き合うことにしたから』って、先週、荷物家の外に放り出されて」
「ええーーー!何それーー!」
「でもさ、今まで相方の仕事支えるのにさ、前の仕事辞めて10年ブランクあるからさ、就職見つからんし…この歳だし…」
「ええ、相方、最近羽振り良くなってたよねえ?!自分名義でマンションも買ってたよね?」
「挙げ句の果てに乗り換えですか、って感じよ」
「げーー、どうすんの?」
「今はなぁ、みるくちゃんとこで置かせてもらってるんだけど…、家にも帰れないし、そろそろみるくちゃんも『どうにかしぃ』って言い出したけど、行くとこない…ホント死にたい」
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さて。みるくちゃんの家にとりあえず身を寄せているこの人を助けたい!と思ったあなた。
若い子こさえてでてけと言った相方と相談者の性別について、思いを及ばせたことはありましたでしょうか。
そして挙式をしたものの、入籍したかどうかは書いてないわけです。
異性婚の夫婦、内縁の異性愛の夫婦、同性愛の夫婦、ジェンダーで言ったらもっといろんな組み合わせがあり得るわけですが。
でも、性の組み合わせで法の救済を受けられるか、受けられないかについて結論を変えて良いものなんでしょうか?
もう一度、二人の会話を読み直してみてください。そして、どこにも行く場のないこの人のこれからを考えるためにも、同性婚のことをもう一度考えてみてください。
みんながみんな結婚しなくていい
でも結婚したいと思ったら、結婚を選べる社会にしたい
と思うわけです。
明日もレインボーウィーク。
LGBT、セクシャルマイノリティと言われることもある人はあなたの会社でも学校でも暮らしています。
たまたま私は男性が好きですが、ジェンダーは女性って言い切れるかどうかわからんなと思うとります。
男性が好きって言っても誰でもいいわけじゃありません。たまたま選んで選ばれて、お互い配慮と忍耐の末今も法で認められたパートナーがいて、子供を産み、育てているということです。