性別にかかわらず、DV事件の相談や受任が多い。

男性が被害者のDVも増えてきたという報道のなされ方がされているが、昔から被害者はいるのである。みんなに見えなかったというだけで。

被害者が相談していると女性ならば真剣に耳を傾ける相手も、男性になると冷やかす人がいる。情けないなどと言われてしまう場合すらある。そうして、被害者は今まで黙ってきてしまっていたわけだ。

相談を聞いているとどの性別の被害者も「でも私が離れると死んでしまう」と口にする場合がある。自傷や他害で加害者は被害者を引き留めようとするからだ。そんな被害者はすでに心身ボロボロであったりする。

逃げればいいじゃないかという声もあるだろう。ここで気をつけたいのが共依存だ。相手の世話をすることに自分の存在価値を置いてしまう場合があるので、自分をさしおいてまで相手の世話をする。

この世話、が曲者である。自分の世話から卒業してしまうと存在価値がなくなってしまうのではという無意識が相手を甘やかすイネイブラーになる。DVの加害者と共依存者はお互いがエスカレートする組み合わせなので、離婚を勧める。そして一度相手から被害者が去ったら二度と振り向かないのが縁切りの最大のコツである。