弁護士になって何度も受ける相談、そしていかんともしがたいのが、恋人同士のお金の話である。

私は従来ケチな性分なので恋人にお金を貸したことはないが、案外別れた恋人に貸した金が戻ってこないという相談は多いのである。

さらに困ったことに大概の場合、都度貸しているために、いつ、いくら貸して、いつ返す約束をしたのかすら判明しないことがある。

割りない仲ならばそういうことはあろうけど、一方、それでは弁護士が出る幕はほとんどない。

お金の関係に関しては、私はクール&ドライな関係がいいと思う。恋愛関係にこれが絡むと本当に泥仕合だからだ。仮に貸すにしても、きちんと借用書を作って返してもらうようにする。きちんとメモをつける。

将来同じ財布になるじゃないかと言われるかもしれない。でも、待ってほしい。将来同じ財布になる仲であれば、尚のことその人が約束を守れる人か、金銭管理のできる人かを吟味することは大事だ。どんなに金を持っていても金銭管理のできない人はお金が足りなくなる暮らしになりがちだからだ。

ということで、便箋に書くのでいいので、借用書、作ってくださいね。